妊娠中は赤ちゃんのために二人分食べなきゃ、というような話を聞いたことはありませんか?
あるいは逆に、「小さく産んで、大きく育てる」などと言われた方もおられるかもしれません。

実際問題として、妊娠中の食事は何をどうすれば良いのでしょうか。
ポイントは、食事の量(カロリー)と質(栄養バランス)です。そのうち、今回は食事の量についての話です。

カロリーとは熱量のエネルギー単位で、日常生活でもよく耳にします。
食事で取り入れる熱量を摂取カロリー、基礎代謝や運動で消費する熱量を消費カロリーと言ったりします。
1日に必要な摂取カロリーは、厳密には、年齢や性別、活動量によって変わりますが、大まかには以下の式から求められます。

 身長(m)×身長(m)×22×30kcal = 標準体重×30kcal

22はBMI(Body Mass Index)の標準です。たとえば、身長160cmの人なら1.6×1.6×22×30=1690kcal となります。
普段であれば、摂取するカロリーがこれよりも多いと脂肪として蓄積されることになります。

ですが、妊娠中はお腹の中の赤ちゃんのことを考えなければなりません。
お腹の中にいるとき、当然ですが赤ちゃんは何も食べていません。
必要とする栄養はすべて、お母さんが摂取した分から、胎盤を通じて分けてもらっています。
「二人分食べる」はさすがに多すぎますが、大体、次の量くらいはプラスする必要があります。

 妊娠初期(妊娠14週未満):+50kcal/日
 妊娠中期(妊娠14週~28週未満):+250kcal/日
 妊娠後期(妊娠28週~):+450kcal/日
 授乳期:+350kcal/日

ごはん茶碗一杯で大体250kcalですので、妊娠中期はそのくらい、妊娠後期はその2倍弱くらい(山盛り一杯くらい)のカロリーを追加した方が良いということになります(ただし、炭水化物だけ取ればいい訳ではなく、バランス良く摂れていることが大前提です!!)。

標準的な体重・体型の人であれば、妊娠初期は普段と変わらず、中期になったらやや多め、後期はしっかり、というイメージです。
ただし、もともとやせている方はこれよりも多くする必要がありますし、太っている方は少なくしなければなりません。

妊娠中にやせすぎていると、胎児発育不全になったり、生まれた赤ちゃんの将来の生活習慣病のリスクが高まったりします。
逆に太りすぎていると、妊娠性糖尿病や妊娠高血圧症候群になりやすくなったり、分娩時に難産になったりすることもあります。

実際には、妊婦健診を受けながら医師や助産師に相談していくことになりますが、自宅でも十分、気をつけていくことはできます。次回はその辺りについてお話ししたいと思います。