前回、「食事の量(カロリー)」について話をしました。
今回は、「食事の質(栄養バランス)」に関してです。

毎日の食事で大切なことは、一日の必要エネルギー量の範囲内で、バランスの取れた内容にすることです。
その際に重要なのが、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの、いわゆる五大栄養素です。
これらの栄養素を日々、バランス良く摂っていれば、重大な過不足に陥る心配はそれほど大きくはありません。

炭水化物:運動や体温産生のエネルギー源になる。穀類、芋類など。
たんぱく質:筋肉や血液など身体の構成成分やエネルギー源になる。肉、魚、大豆、卵など。
脂質:エネルギー源の他、身体の機能調整をする。植物油、バター、脂身など。
ビタミン:身体機能の維持や調整をする。野菜、果物など。
ミネラル:身体機能の維持や調整をする。野菜、果物、海藻、乳製品など。

通常、主食としての炭水化物をしっかり摂り(目安としては1日の必要カロリーの約半分を補う程度)、肉や魚のおかずでたんぱく質と脂質を摂り、野菜や果物も忘れずに、というかたちになります。

ただし、注意点もいくつかあります。

まず、妊娠中、特につわりから解放された妊娠中期以降は、どうしても過食になる傾向があります。
そんなときに炭水化物を取り過ぎると、体重はあっという間に増えていきます。
妊婦健診で指摘されて慌てて食べる量を減らす、ではなく、毎日ちょっとずつ意識するのがベストです。

体重増加の目安:+1kg/月(妊娠期間トータルで+10kg)
もともとやせ気味の人(BMI:~18)はやや多め:トータルで+12kg
もともと太り気味の人(BMI:25~)は+10kgよりも少なめ(個別対応になります)

体重が増えすぎだなというとき、間食などをしていたらまずはそれを減らし、その後は炭水化物を減らしてみて下さい。
やり方は、「普段と同じように茶碗にご飯をよそい、そこからざっくり半分、おかまに戻す」です。
戻した分は他の栄養素(できれば、魚や野菜)で補うようにして下さい。

妊娠中はたんぱく質の必要量が増えます(妊娠後期で通常の1.5倍程度)。
また、魚や植物性油に多く含まれる不飽和脂肪酸(EPA、DPA、DHAなど)が不足すると、早産や低出生体重児のリスクが増えるという報告もあります。

ビタミンは、現代の日本でしっかりとバランスの取れた食事を摂っていれば、極端に不足することはほとんどありません。
逆に、あまり意識しすぎると、ビタミンAやビタミンDといった、脂溶性ビタミンの過剰摂取になってしまいます。

妊娠中のミネラルで不足しやすいのは、カルシウムと鉄です。特に鉄の不足に関しては、ただでさえ血液が希釈されて貧血になりやすいところに、さらに輪をかけて重症化させてしまいます。
レバー、肉や魚の赤身、ひじき、プルーンなど、鉄に関しては意識しておいた方がよいかもしれません。

基本はバランス良く、です。スナック菓子の袋を抱えたり、ファストフードに入り浸ったりはやめた方が無難です。