前回、「食事の量(カロリー)」と「食事の質(栄養バランス)」についての話をしました。今回はそれ以外に関してです。

妊娠中、多くの人が悩むのが便秘です。
これは、大きくなった子宮が物理的に腸を圧迫するのと、ホルモンバランスが変化するのとが原因ですので、基本的にお産が終わるまではすっきりしません。
それまでなんとか、やり過ごさなければならないのですが、まず試して頂きたいのが「食物線維(食物繊維)」「水分」です。

芋類、豆類、海藻など、食物線維の多い野菜を食べ、水分をしっかり摂ると、便が軟らかくなって出やすくなります。
今の季節でしたら、大根や白菜など、繊維と水分の両方を含む野菜もオススメです。

「水分を摂るとむくむ」と心配される方がおられますが、水分だけではむくみません。
「塩分」を摂り過ぎると、それが水分を引きつけてむくみます。
また、塩分は血圧を上昇させ、妊娠高血圧症候群の引き金となったりしますので、控えるにこしたことはありません。

塩分を控える一番の方法は、日々の味付けを薄くすることですが、簡単な方法の一つが「サラダにドレッシングをかけないこと」です。
普段、たっぷりドレッシングをかけている方は、それをすぱっとやめてみて下さい。
最初は味気ないですが、数日で野菜本来の味に舌が慣れてきます。
そうなると、他の食事が塩辛く感じられますので、自然と薄味に変わっていきます。

糖分の取り過ぎはいうまでもありません。
「食べない!」だとつらいので、家の中にお菓子や清涼飲料を置かないようにするのがベストです。
普段も、コンビニやファストフード店には近寄らないルートで生活するようにしましょう。

あと、意外にも果物の果糖が糖分取り過ぎの原因になったりもします。
糖分が多すぎといわれた場合は、果物から野菜に切り替えてみるのも一つの解決策です。

カフェインに関して心配される方もおられます。
1日30杯のコーヒーを飲み続けると先天異常の可能性が出るとか、1日3~4杯のコーヒーを飲み続けると赤ちゃんの体重が小さくなる、などの報告も出てはいます。
とはいうものの、たまに1~2杯飲んだ程度で影響が出るものでもありません。
敢えて飲むものではないと思いますが、たまに少量であれば、それほど心配は要りません。

アルコールは、飲み過ぎると「胎児性アルコール症候群」の原因となります。
低体重、顔面の奇形、神経系の発達障害などがその症状です。頻度は高くありませんが、「ここまでなら大丈夫」というアルコール量の基準もありません。
たまに少量の飲酒でものすごく心配する必要はありませんが、基本的には控えた方が良いです。

タバコは絶対禁止です。
ニコチン、一酸化炭素他、各種の発ガン物質ももれなく含まれており、百害あって一利なしです。
受動喫煙でも同じことなので、家族内全員禁煙にしましょう。

タバコがやめられない方:喫煙習慣はニコチン中毒なので、意思の力だけで止めるのは確かに難しい部分はあります。
ですが、ちょっと想像してみてほしいのですが、あなたの体重が仮に60kgで、赤ちゃんの体重が3000g(=3kg)だとします。
体重は20倍違うので、あなたにとってのタバコ1本は、赤ちゃんにとっては20本に相当します。
自分の口にタバコ20本突っ込んで、その全てに火を付けてみて下さい。
1日1箱吸う方は、それを1日20回繰り返してみて下さい。同じことを赤ちゃんにしたいですか??

妊娠中の食事は、自分のためであると同時に、お腹の中の赤ちゃんのためでもあります。
赤ちゃんは10ヶ月経つと生まれてきて、自分の子どもになります。
妊娠中の食事がよく分からないという方は、生まれたあと、スクスクと育っていく子どもに、どんなご飯を食べさせてあげたいかを思い浮かべてみて下さい。
スナックの袋をかかえさせたいですか? 毎食、ファストフードにしますか? コーヒー? アルコール? タバコ・・・?

子どもと一緒に食べたい食事を思い浮かべて、それを、その子が生まれる前から実行するのが、妊娠中の一番シンプルな食事方法です。