現在、風疹が例年になく流行っていると報道されています。

妊娠中に風疹に感染すると「先天性風疹症候群」になる可能性があります。

正しい知識を身に着け、しっかり予防するようにして下さい。

 

まず風疹は、風疹ウイルスに感染することによって起こります。

耳の後ろや後頭部のリンパ節が腫れ、頭痛や鼻水、咳、全身のだるさが出現します。

それに続いて37〜38℃の発熱が起こり、顔面から始まった発疹が全身へと広がっていきます。

この時期が最も感染力が高いです。通常は数日するとこれらの症状は消失し、治癒します。

ウイスルが原因の病気なので、抗生物質は効果ありません。

 

この風疹に妊娠している女性が感染すると、風疹ウイルスが胎盤を通って胎児に感染することがあります。

これによって先天的な異常が起こった場合を、先天性風疹症候群と呼びます。

 

先天性風疹症候群の三大症状は、1)白内障、2)心奇形(動脈管開存症など)、3)難聴、になります。白内障と心奇形に対しては手術、難聴に対してはリハビリを、どちらも出生後に行うことになります。

 

妊娠中のどの時期に風疹に感染したかが重要です。

妊娠12週頃(4ヶ月目に入る頃くらい)までは器官形成期といって、胎児の重要な臓器がつくられる時期になります。

この時期に感染すると、複数の重度な症状が出現する危険が高くなります。

 

12週から20週頃(4ヶ月〜6ヶ月のはじめくらい)までの感染では難聴がみられることが多くなります。

それ以降の感染では、先天性風疹症候群を発症する可能性はぐっと低くなります。

つまり、妊娠の初期〜中期にかけてが注意が必要ということになります。

 

妊娠中に風疹に感染した場合、胎児への感染を防ぐ手段はありません(100%感染するという意味ではなく、胎児まで感染するかしないかは運任せ、という意味です)。

唯一、取りうる予防法は、妊娠前に風疹抗体(風疹に対するバリア)の有無を採血で確認し、抗体が十分にない場合は予防接種を受けることだけです。

 

ただし、風疹のワクチンは「弱毒生ワクチン」といって、病原性を弱めたウイルスそのものを使っています。

まれに、ワクチンの接種により感染が成立してしまうことがあるため、妊娠中に風疹の予防接種を受けることはできません。

妊娠初期の検査で抗体が十分になかった妊婦さんは、妊娠中はとにかく、うがいや手洗い、人混みを避ける、などの方法で風疹にかからないようにするしかありません。

 

また、夫や他の家族が風疹を持ち込む場合もあるため、全員が風疹にかからないように注意したり、あらかじめ検査や予防接種を受けたりすることも必要になります。

 

先天性風疹症候群は、VPD(Vaccine Preventable Disease=ワクチンで防げる病気)と言われています。

自分や自分の赤ちゃんだけでなく、知らず知らずのうちに周りに広めてしまわないように、女性のみならず男性も関心を持って、検査や予防接種を受けるようにして下さい。

制作著作:日本はぐケア協会