現在、猛威を振るっている「梅毒」。
新規患者は今年に入ってすでに1000人を超え、21世紀で最悪のペースとなっています。
梅毒と聞いて、何をイメージされますか?
ほとんどの方が、「聞いたことはあるけど…」という印象だと思います。
しかし、梅毒は依然として恐ろしい性病(性感染症)である事実を理解して頂きたいと思います。
梅毒はどんな病気?
治療薬「ペニシリン」が開発(発見)されるまでは不治の病として恐れられていました。しかし、現在では、早期に治療することができればほぼ完治します。
具体的な症状としては、
- 痛みのないしこり
⇒性器、口の皮膚や粘膜にしこりができます。 - 痛みのないリンパ節の腫れ
⇒太ももの付け根の部分が腫れます。 - ピンク色の円形のあざ
⇒顔や手足にできます。 - 赤茶色のできもの(ブツブツ)
⇒小豆ほどの大きさのブツブツができます。
などが挙げられます。
しかも、性感染症として「梅毒」に感染しますと、HIV(エイズウイルス)などにも感染しやすくなります。
梅毒に感染する経路
梅毒は「トレポネーマ」という病原菌により感染します。皮膚や小さな傷から病原菌が侵入し、血液中に入って全身に広がっていきます。
おもに性行為(セックス)を通じて感染します。通常の性行為だけでなく、アナルセックスやオーラルセックスでも感染します。口に梅毒の症状があるとキスでも感染する可能性があります。
双方が特定の相手とだけ性行為をしている場合は、梅毒の感染の可能性は極めて低いですが、どちらか一方が不特定多数の方と性行為をされている方は、知らない間に梅毒に感染する危険性が高まります。
不特定多数と性行為されている方との性行為は、梅毒だけでなく、HIVなどその他の性感染症のリスクも高めますので、避けた方がよいでしょう。相手が不特定多数と性交渉をしているかどうか分からない場合も多いと思いますので、自分の身を守るためにコンドームの着用を強くお勧めします。
※なお、梅毒には「先天梅毒」といって、自分自身が胎児のとき、胎盤を経由して母親から感染してしまうこともあります。必ずしもすべてが性行為を通じての感染ではありませんが、通常は主に性行為を介して感染します。
まとめ
梅毒の感染を防ぐには、
- 不特定多数との性行為を避ける
- 不特定多数と性行為をされている相手との性行為は避ける
- コンドームを着用する
ことが挙げられます。
不特定多数の方との性行為の経験がある方は、HIVなどのSTD(性感染症)の検査を受けられることをお薦めいたします。これは、自分自身を守るという意味の他に、パートナー(現在、場合によっては将来の)を守るという意味もあり、さらには将来、妊娠した場合に自分の赤ちゃんを守ることにもなります。
著作:日本はぐケア協会