カンジダは真菌というカビの仲間です。これによって痒みが出たり、おりものが多くなったりする状態のことを「カンジダ外陰腟炎」または「外陰腟カンジダ症」といい、約75%の女性が生涯に1回はかかるといわれています。

カンジダはもともと、皮膚の表面や腸の中に普通に存在する「常在菌」で、特に腸の中に存在するカンジダが肛門から出て腟の中に入ることが多いです。腟内からカンジダが見つかる人の割合は約15%、妊娠中だと約30%になります。もともと普通にいる菌なので、ただ見つかっただけなら放っておいて構いません。症状が出たときにはじめて治療の対象となります。

性感染症として、女性から男性への感染はしばしばありますが、男性から女性への感染は少ないです。ただし、性器の形状的にも男性でカンジダ症が長引くことはほとんどありません。

症状としては、おりものが多くなる、痒い(ときに痛痒い)が主なものです。おりものは、酒粕のような、あるいは粉チーズを水に溶かしたような、特有のものになります。においはそれほどきつくはありません。

もともと普通に存在する菌であるカンジダは、普段は特に悪さはしません。ですが、妊娠中(グリコーゲンという、カンジダにとって栄養分となるものが腟内に増える)、免疫が下がったとき(糖尿病などにかかったときや、免疫が下がる薬を使ったとき)、抗生物質を飲んだとき(腟内の他の菌が抗生物質でやられて、結果としてカンジダが増えやすくなる)などには、増えて症状が出てきます。

症状が出た場合でも、数日で自然に治ることもあります。長引く場合は婦人科を受診し、腟の中を洗って、抗真菌薬というカビの仲間に効く薬を使えば、ほぼ問題なく治ります(ちなみに、抗生物質は「細菌」に効きますが「カビ(真菌)」には効きません。抗真菌薬はその逆です)。

症状が消えても、常在菌ですので菌自体は残っている可能性があります。再発を防ぐためには、以下のような点に気を付けてください。

○外陰部を清潔に保つ
○通気性の良い下着を使用する
○おりものシートなどはまめに交換する
○免疫力を下げない(普段から睡眠や休息をしっかりとる)
○必要ないのに抗生物質を使わない

症状が出る原因として最も多いのは抗生物質の内服です。ただし、他の病気で必要があるのにカンジダを気にして抗生物質を使わないのは本末転倒です。

カンジダの症状があるとき、外陰部を清潔に保つことは重要ですが、石鹸を使うと皮膚や粘膜を刺激し、かえって悪化することがあります。シャワーなどのお湯のみで、手でやさしく洗うようにしてください。

なお、「腟内にヨーグルトを塗るとカンジダが治る」という話を耳にすることがありますが、根拠はまったくありません。腟にはもともと「乳酸桿菌」という菌がいて、これが腟内を酸性に保つことで、カンジダなど他の菌の繁殖を抑えています。このことを踏まえての「ヨーグルト」なのかもしれませんが・・・。百歩譲っても、「予防」にはなっても「治療」になることはありませんし、予防のために延々と腟内にヨーグルトを塗り続けるのも、ちょっと違う気がしてなりません。

カンジダは「痒み」と「おりもの」以外の悪さはしません。もし、カンジダの症状が繰り返し出てくるようなら、体が疲れて免疫力が下がっているサインだと思い、少しゆっくり休むようにしてみてください。

産婦人科医医師
日本はぐケア協会代表理事 平林大輔